エビデンスは何かを判断するときの根拠になりますが、
エビデンスが全てではありません。
こう聞くと、今までエビデンスが重要、と言ってきたじゃないか!
と混乱するかもしれません。
しかし、重要なので表現を変えて言いましょう。
エビデンスは重要。しかし、エビデンスをどのように
拡大して解釈するのか、そこにエビデンスを使用する人の
センスと経験が必要である。
エビデンスがあるから、といって全ての人に当てはまる訳ではないし、
エビデンスがないから、といって何でも否定するのは選択肢を狭める。
これは、EBMを実践する際に非常にトリッキーな事実です。
エビデンスはかなり限られた研究デザインのもとで
示されたデータであることを忘れてはなりません。
しかし、エビデンスがないことを実践する場合、
エビデンスがない、という事実をよく知ったうえで、
リスクとベネフィットのバランスを考える必要があります。
エビデンスを理解する際には常に原著論文、そして
そこから派生するデータを確認していく必要があります。
どのような状況で示されたデータなのか?
目の前の患者さん、あるいは自分自身に当てはまるのか?
当てはまらない場合、どのように解釈するのが妥当なのか?